計算機をつくるときに守っていること
オンラインの計算機はすでにたくさんあります。ここで違うようにしているのは、計算が本当に合っているか、その数字がどこから来たのかの二つを正面から扱うことです。そこから次の四つが出てきます。
1. 数字には出典をつける
税率・料率・法令に依存する計算機には、本文の最後に確認した日付と根拠を記しています。消費税の軽減税率の対象品目、譲渡所得の特別控除50万円、新NISAの年間投資枠、尺貫法の法的な位置づけ——どれも一次資料にあたって入れた値で、制度が変われば更新します。出典を示さない計算機では、その数字が今年のものか去年のものか確かめようがありません。
確認できなかったことは、埋めずに「確認できていない」と書きます。睡眠の計算機で性別を入力させないのは、必要な睡眠時間が性別で変わるという一次的な根拠を見つけられなかったからです。
間違えたときも、黙って書き換えることはしません。直したうえで、何がどう違っていたかを残します。消費税の計算機では、税込1,000円・10%の内訳の合計が999円になって1円ずれていたこと、税込のほうを入力するとその金額が1円削られて表示されることがありました。睡眠の計算機でも、案内した就寝時刻の幅の遅い端で横になると目安の睡眠時間に届かないことがありました。どれも直したうえで、何をどう直したかをこのサイトについてに日付とともに残しています。
残りの三つ——自動での検査、通説の扱い、つくらないものの線引き——は、下の計算機の一覧のあとに続けます。
つくるときに守っていること(つづき)
一覧の前に書いた出典の話に続けて、残りの三つを書きます。
2. 計算が合っているかを自動で検査する
各ページの計算部分は表示部分と分けてあり、人が手で確かめなくても数千件の検証が自動で走ります。ちょうど境界に乗る値、往復変換、単調性(入力が大きくなれば結果も大きくなるか)などを調べます。
これは実際に誤りを見つけています。複利の計算機で単利のほうが複利より大きく出ていたこと、為替の計算機が28通貨しか持っておらず実際に検索されている通貨の組み合わせに答えられなかったこと、介護保険料率を12.95%と誤っていたこと(正しくは健康保険料の13.14%)。いずれもこの検査で見つかり、直りました。
3. 通説をそのまま写さない
広く言われていることが、資料にあたると違っている場合があります。違っていれば、そのようにページに書きます。
- 「睡眠周期90分の切れ目で起きればすっきりする」——そこまで精密に合わせること自体ができません。実測された周期の標準偏差は約29分で、5周期ぶんを重ねると誤差が1時間を超えます。
- 「昼寝は長いほどよい」——比較実験では10分が30分より効果的で、30分では起きた直後にかえって成績が落ちる区間が生じました。
- 畳の広さ——「1畳」は全国共通ではなく、地域によって面積が26%も違います。一つの数字で答えず、地域別に示しています。
4. 自分たちの役割でないものはつくらない
役所の窓口や専用アプリのほうが正確にできるもの、医療・法律の判断にあたるものはつくりません。遊びのための道具には科学的な根拠がないことをそのページに明記し、まじめな計算機と混ざらないようにしています。
入力した値はブラウザの外に出ません
計算はすべてページの中で完結します。給与額や資産額、体のサイズを入れても、サーバーに送信されることはありません。計算に必要なコードが、開いた時点ですでにページの中に入っているからです。
為替や地金相場のように外部のデータが要る計算機だけが例外ですが、そこでもデータの流れは一方向です。値はページを組み立てるときに1日1回取得してページに焼き込んであり、使っている間にどこかへ要求を送ることはありません。そのかわり、いつ時点の値かを画面に表示します。
韓国語版・英語版もあります
同じ計算でも、国が変われば基準が変わります。ですから他の言語版は翻訳ではなく、その国の基準で書き直しています。推奨される睡眠時間がわかりやすい例で、韓国は7〜8時間、米国は7時間以上、日本は6時間以上と異なり、各言語版はその国の機関が示す基準を使います。日本語版の金の計算機が譲渡所得を扱い、英語版の時給計算機が米国・英国の税率区分を扱うのも同じ理由です。
運営者と連絡先はこのサイトについてに、各計算の根拠と確認日はそれぞれの計算機のページにあります。