積立 — 同じ運用成績でも、口座で手取りが変わる
積立シミュレーションは満期金額と運用益を出したうえで、それをNISA口座(非課税)と課税口座で並べて見せます。
上場株式や投資信託の運用益にかかる税率は 20.315% です。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%。復興特別所得税は所得税額の2.1%(15% × 2.1% = 0.315%)で、2013年から2037年までの措置です。かかるのは運用益にだけで、元本部分にはかかりません。1,000万円が1,500万円になったなら、課税対象は500万円、税額は約101万5,750円です。NISA口座ならこれがゼロになります。同じ運用成績で手取りが100万円変わるということで、期間が長くなるほど差は膨らみます。
枠は年間と生涯の二段になっている
2024年からのNISAには上限が2つあります。年間投資枠は、つみたて投資枠が年120万円(月10万円)、成長投資枠が年240万円(月20万円)で、併用すると年360万円まで。そのうえに生涯非課税保有限度額 1,800万円 があり、成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。残りの600万円はつみたて投資枠でしか埋められません。
毎月の積立額に直すと分かりやすくなります。月10万円までならつみたて投資枠だけで収まり、生涯枠に届くのは15年後。月20万円なら7.5年、月30万円なら5年です。売却した分は翌年以降、簿価(取得金額)のぶんだけ枠が復活します。
消費税 — 8%か10%かは「何を」ではなく「どう売られたか」で決まる
消費税計算は税抜と税込を同時に出しながら、その品物が8%か10%かを品目ごとに判定します。
まず計算のほうから。税込1,100円の本体価格は 1,100 ÷ 1.1 = 1,000円 です。「税込から10%を引く」と990円になりますが、これは誤りです。掛け算で増えたものは割り算でしか戻りません。
軽減税率8%の対象は2つだけです。酒類と外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される定期購読の新聞。「食べ物なら8%」と覚えると外れます。
境目にあるものが分かれる理由
水道水は10%でミネラルウォーターは8%です。水道水は風呂や洗濯にも使う生活用水と混ざって供給されるため、飲食用だけを切り分けられず、飲食料品として扱われません。同じ考え方で、食用の氷は8%、保冷用の氷は10%になります。
本みりんは10%、みりん風調味料は8%。分かれ目は酒税法上の酒類(アルコール分1度以上)に当たるかどうかです。だからノンアルコールビールや甘酒(1度未満)は8%になります。
同じ弁当でも、店内の席で食べれば外食のサービス提供なので10%、持ち帰れば飲食料品の譲渡だけなので8%です。判定は店側が意思確認をした時点の申し出によるので、持ち帰ると言って買ったあとに気が変わっても、さかのぼって差額を払う必要はありません。
内訳も覚えておくと経理で役に立ちます。10%は国税7.8%+地方消費税2.2%、軽減8%は国税6.24%+地方1.76%。2019年9月までの旧8%は国税6.3%+地方1.7%という別の内訳だったため、合計が同じでも帳簿では分けて記帳します。
金・プラチナ — 売った利益は譲渡所得になる
金・プラチナ売却の税金計算機は、参考価格を見るためではなく売ったあとの申告のための道具です。個人が金地金を売って出た利益は原則として譲渡所得で、給与など他の所得と合わせた総合課税の対象になります。
出発点は 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)= 譲渡益。ここに2つの仕組みが乗ります。ひとつは50万円の特別控除で、これは品物ごとではなくその年の総合課税の譲渡益の合計に対して50万円です。ゴルフ会員権や書画骨董を売った年は、それも合算した中での50万円になります。
もうひとつは保有期間です。取得日から5年以内なら短期、5年を超えていれば長期で、長期は特別控除を引いたあとの金額に 1/2 を掛けます。譲渡益100万円なら、特別控除後の50万円がそのまま課税対象になるか、25万円になるかが分かれます。同じ利益で課税額が倍違うので、取得日が5年目の前後にあるなら売る前に日付を確認する価値があります。
200万円を超える取引には支払調書が出ます(2012年1月1日以降)。ただし対象は金地金・プラチナ地金だけで、リングやネックレスなどの貴金属製品、銀やパラジウムの地金は対象外です。ここで誤解しないでほしいのは、調書が出ないことと申告が要らないことは別だという点です。対象外の品でも、利益が出ていれば申告の対象になります。
為替 — 仲値は誰も個人に出さないレート
為替レート計算は配信に含まれる160超の通貨をすべて持っていて、ドル以外どうしのペアも1回で出します。配信されるレートはどれも米ドルに対する建値なので、クロスレートは一方を他方で割るだけです。
知っておくとよいのは、クロスレートは両方の誤差を引き継ぐことです。取引の多いペアなら無視できますが、取引の薄い通貨どうしでは、そもそも直接市場が存在せず、仲値と実際に取引できる値が離れることがあります。
そして画面に出ているのは卸売市場の買値と売値の中間、仲値です。個人がこのレートで両替できることはありません。海外でのカード決済がいちばん近く、カード会社と発行会社の手数料を合わせて1%前後。端末で「日本円で支払いますか」と聞かれたら断ってください。DCC(動的通貨換算)で、ほぼ確実に条件が悪くなります。現金の両替はいちばんスプレッドが広く、空港の両替所はどこの国でも不利です。到着してすぐ現金が要るなら、空港では少額だけ替えて残りは市街で、というのが定番の折り合いです。
なお相場と為替はサイトを作り直すときに1日1回取得した値です。日次の参考値であって、リアルタイムの市場レートではありません。大きな金額や急ぐ取引では、実際に扱う金融機関で確認してください。