くらしの道具

この4つに共通しているのは、数字ではなく判定を返すことです。誰にするか、何日かかるか、その字は通るか、持ち込めるか。答えを出すのではなく、決めるための材料をそろえます。

決められないときのルーレット

くじ引きルーレットは項目を入れて回すだけの道具です。カンマでも改行でも、混ぜて書いても同じように読みます。ランチが決まらないとき、発表者を選ぶとき、当番を決めるとき。紙を折る必要もアプリを入れる必要もありません。

見せ方が4つあります。ルーレットは円盤が回って止まる定番の形。ビー玉レースは画面より長いコースをビー玉が転がって競走し、三角ピンの原・バンパー・分かれ道・加速区間・回転する風車を通ります。順位が最後まで入れ替わるので見ていて面白いのですが、ビー玉が重ならないよう16個までです。カプセルはガチャ機から出てくる形。順番・チームだけは逆の仕事をしていて、一つを選ぶのではなく全員の順番を決めたり、人数差が最大1人になるようチームに分けたりします。

物理は本物なのに、なぜ公平なのか

ビー玉レースの分かれ道と加速区間は、特定のスタート位置を実際に有利にします。それでも公平なのは、レースごとにどのビー玉にどの名前を割り当てるかを偏りのないフィッシャー・イェーツのシャッフルで組み替えているからです。名前を基準にすると当選確率は1/Nに収束します。

当選そのものは crypto.getRandomValues() で決めています。時刻を種にする簡単な乱数と違い、次に何が出るかを予測できません。大事なのは順序で、当選が先に決まり、演出が後から追いつきます。円盤の止まる位置もカプセルが出る動きも、すでに決まった結果を見せるためのものです。なお、これはカジノのルーレットではありません。賭け金・配当・倍率という概念そのものがない道具です。

一気見 — クールで数えると何時間になるか

一気見計算機は、始める前に総量を見せます。日本のアニメやドラマは「クール」で数え、1クールは3か月(約13週)の放送枠でアニメなら12話か13話が基本です。

30分枠のアニメは本編が約24分なので、1クール12話なら288分、およそ4時間48分。半日もかかりません。ところが2クール24話なら約9時間36分、4クール50話では20時間になり、ここまで来ると土日をまるごと使う規模です。

意外なのが朝ドラです。連続テレビ小説は1回15分で、2020年度からは週5回・半年間なので1作でおよそ130回。15分と聞くと軽く感じますが、合計は約32時間30分で、4クールのアニメより長くなります。民放の連続ドラマは1話45分前後・1クール10〜11話が標準なので、10話なら約7時間30分。1日で見終えることもできる分量です。

1.5倍で見れば75時間の作品が50時間になりますが、実際の視聴時間は計算より少し長くなります。聞き取れなかった台詞の巻き戻し、自動再生までの数秒、続けるか決める時間。逆にOPとEDを飛ばせば長いシリーズでは数時間浮きます。1日8話は食事や休憩を足す前で6時間を超える画面時間なので、始める前に今日は何話までと決めておくのが、選択を自分の側に置いておく簡単な方法です。

文字数 — 数えるだけでなく、通らない字を指摘する

文字数カウント400字詰め(20字×20行)で何枚になるかを出しつつ、200字詰めの枚数も並べます。ただし禁則処理や段落頭の1マス空けで消費するマス目が変わるため、実際の原稿用紙とは少しずれます。提出物の分量確認には十分ですが、ぴったりを求める場面では余裕を見てください。

この計算機の本題はむしろ機種依存文字の判定です。①のような丸数字、Ⅰのようなローマ数字、㈱・℡・㎡といった記号は、もともとメーカーが独自に拡張した文字です。UTF-8が広く使われる今はメールやウェブで問題にならないことが多くなりましたが、官公庁・自治体の申請システム、Shift_JIS前提の古い業務システム、CSVの取り込み、携帯キャリアのメールでは今も弾かれます。

件数だけ言われても直せないので、該当する文字を一覧で表示します。丸数字は「(1)」、ローマ数字は「I」、㈱は「株式会社」、㎡は「平方メートル」と書き換えるのが定番の対処です。半角カナも成り立ちは違いますが同じように問題になりやすいので、別枠で注意として出します。バイト数はShift_JISで日本語が2バイト、UTF-8ではおおむね3バイトと変わるので、上限が決まっているシステムではどちらの基準かを確かめてください。

モバイルバッテリー — 持ち込めるかどうかを判定する

機内持ち込み計算機は容量(mAh)を航空規定の単位Whに換算し、持ち込めるかを判定します。Wh = mAh × 電圧(V) ÷ 1000 で、リチウムイオンの公称電圧3.7Vなら20,000mAhの製品が約74Whです。

規定が使うのがmAhではなくWhなのには理由があります。mAhは電圧を含まない電荷量だけの値なので、電圧が違えば同じmAhでも蓄えられているエネルギー量が変わります。発火の危険はエネルギーの総量に関係するため、規定はWhを基準にしています。

そして規定は続けて厳しくなっています。座席上の収納棚への収納が禁止されて身につけて持つことになり、機内での充電と給電も禁止されました。2026年4月24日からは容量にかかわらず1人2個までという個数制限が加わっています(160Wh以下に限った話で、160Wh超はそもそも運べません)。預け入れは以前から禁止で、いちばん多い失敗はスーツケースの内ポケットに入れたまま忘れることです。最終的な確認は利用する航空会社の案内で行ってください。