計算のしかた
- 地球を半径6,371kmの球とみなし、高さhから地表に接する視線までの距離を求めます:d = √(h × (2R + h))。高さは地球よりずっと小さいので、ほぼ√(2Rh)と同じです。
- 光は下の空気ほど濃いため、地球側へ少し曲がります。測量ではこれを屈折係数 k ≈ 0.13とし、地球の半径を R ÷ (1 − k) に大きくして計算します。そのため屈折を入れると約7%遠くまで見えます。
- この値は、米国国家地理空間情報局(NGA)の航海教範『The American Practical Navigator』(Bowditch)が使う水平線距離 2.07√h 海里(hはm)と0.2%以内で一致します。
- 互いに見える最大距離 = 自分の地平線距離 + 相手の地平線距離。間にもっと高い地形がない場合の限界です。
- 隠れる高さ = (距離 − 自分の地平線距離)² ÷ (2R′)。この分は地平線の下に隠れて見えません。
高さ別の地平線までの距離
| 高さ | 屈折あり | 屈折なし |
|---|---|---|
| 1.6m | 4.8km | 4.5km |
| 10m | 12.1km | 11.3km |
| 30m | 21.0km | 19.6km |
| 100m | 38.3km | 35.7km |
| 150m | 46.9km | 43.7km |
| 350m | 71.6km | 66.8km |
| 450m | 81.2km | 75.7km |
| 1,000m | 121km | 113km |
| 3,776m | 235km | 219km |
| 10,000m | 383km | 357km |
展望台・山の高さ:東京スカイツリー 634m・天望デッキ 350m・天望回廊 450m(運営会社)· 東京タワー 333m・メインデッキ 150m・トップデッキ 250m(運営会社)· 富士山 3,776m(国土地理院)· 旅客機の巡航高度はふつう30,000〜40,000フィート(約9,100〜12,200m)です。
実際にはなぜ見えにくいのか
計算値は空気が完全に澄んでいるときの理論上の限界です。実際にはちり・水蒸気で見通しが数十kmにとどまる日が多く、山や建物が視線をさえぎります。気温の逆転が起きる日は光がより曲がり、ふだんより遠くまで見えることもあります(蜃気楼)。時刻や天気で屈折係数は変わるので、「屈折なし」の値と合わせて幅で見てください。
よくある質問
海辺に立つと水平線まで何kmですか?
目の高さが1.6mなら約4.8kmです。光が大気で少し曲がるので、幾何学的な値(4.5km)より少し遠くまで見えます。砂浜に座って目の高さが1mほどになると約3.8kmに縮みます。
東京スカイツリーの天望回廊(450m)からはどこまで見えますか?
海や平地の上なら地平線まで約81kmです。天望デッキ(350m)なら約72km、東京タワーのメインデッキ(150m)なら約47kmです。実際には空気中のちり・水蒸気で、晴れた日でもそれより短くしか見えないことが多いです。
富士山の山頂からはどこまで見えますか?
標高3,776mから地平線まで約235kmです。海抜0m近くに立つ人(目の高さ1.6m)と互いに見える最大距離は、235km+4.8km=約240kmになります。見る側が山の上なら、さらに遠くからも見えます。
二つの山が互いに見える最大距離はどう計算しますか?
それぞれの高さから地平線までの距離を足します。標高1,000mの山二つなら121km+121km=約242kmまで互いに見える可能性があります。間にもっと高い地形がないことが条件です。
遠くのビルが下から見えなくなるのはなぜですか?
地球が丸いので、ビルの下の部分が地平線の向こうに隠れるからです。目の高さ1.6mから30km先の高さ100mのビルは、下の約43mが隠れて上の57mだけが見えます。距離を入れると、この計算機が隠れる高さを出します。